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大学費用は教育ローンか奨学金か|親と子の負担から考える選び方

大学のお金が足りないときは、親が教育ローンを借りるのと、子どもが奨学金を借りるのと、どっちがいいのかしら?
受験生のお母さん
受験生のお母さん

教育ローンと奨学金のいちばん大きな違いは、誰が借りて、誰が返すかです。国の教育ローンは主に保護者が借りて親が返し、日本学生支援機構(JASSO)の貸与型奨学金は学生本人が借りて、原則として貸与が終わってから本人が返します。お金を受け取れる時期や返済が始まる時期も違います。

どちらを使うか考える前に返さなくてよい給付型奨学金や授業料の減免を先に確かめます。そのうえで足りない分を、親と子のどちらが、いつ、いくら負担するのかを親子で話し合って決めます。

お父さん
お父さん
わが家は教育ローンも奨学金も使いませんでした。入学金や一人暮らしの初期費用は学資保険でまかない、その後も学資保険と貯蓄でなんとかなりました。使っていない立場ですが、公式の情報をもとに、親として比べておきたい点を整理しました。

教育ローンと奨学金は、借りる人・受取時期・返済が違う

大学のお金を補う方法は返さなくてよいものと、返す必要があるものに分かれます。教育ローンも貸与型奨学金も借りたお金なので、あとで返す必要があります。

まず、給付と貸与を分ける

JASSOの奨学金には返さなくてよい給付型と、貸与が終わったあとに返す貸与型があります。貸与型には利息のつかない第一種と、利息のつく第二種があります。給付型奨学金とあわせて大学の授業料や入学金が減額・免除される制度もあり、こちらも返す必要はありません。

給付型奨学金や授業料の減免は世帯の収入や学業などの条件を満たせば使えます。条件に当てはまるかを先に確かめてから、足りない分を借りるかを考えます。

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給付型・貸与型の奨学金と授業料の減免の全体像は、大学の奨学金・授業料支援には何がある?給付型・貸与型と減免制度で説明しています。

国の教育ローンと、銀行などの教育ローンは条件が違う

「国の教育ローン」は日本政策金融公庫が扱う教育一般貸付のことです。世帯年収の上限があり子ども1人につき350万円まで(条件によって450万円まで)借りられます。金利は固定で、2026年11月1日に確認した公庫のページでは、2026年7月1日現在で年4.05%(保証料は別)でした。

銀行や信用金庫、労働金庫などの教育ローンは金利が固定か変動か、借りられる額、返済期間、保証のしくみが商品ごとに違います。国の教育ローンと同じ条件だと考えず、商品ごとの説明書で確かめます。

主な違いを表にまとめました。

JASSO給付型奨学金 JASSO第一種(貸与) JASSO第二種(貸与) 国の教育ローン 銀行などの教育ローン
借りる人・受け取る人 学生本人 学生本人 学生本人 主に保護者 商品による(主に保護者)
返済 返さなくてよい 原則、貸与終了の翌月から数えて7か月目から本人が返す 原則、貸与終了の翌月から数えて7か月目から本人が返す 借りた翌月か翌々月から親が返す 商品による
受け取り方 入学後に毎月 入学後に毎月 入学後に毎月 審査のあと一括で口座へ 商品による
利息 なし なし あり(在学中はかからない) あり(固定金利) 商品による
保証 なし(返還を前提としない) 機関保証か人的保証(所得連動返還方式は機関保証のみ) 機関保証か人的保証 保証機関(教育資金融資保証基金)か連帯保証人 商品による
申込み 高校・大学で募集時期に 高校・大学で募集時期に 高校・大学で募集時期に 公庫にいつでも 各金融機関に
2026年11月1日に日本政策金融公庫とJASSOの公式情報で確認した概要です。条件の細かい点は各窓口で確かめます

入学前に要るお金と、在学中に要るお金で時期を分ける

入学金や前期の授業料、一人暮らしの初期費用は入学前に払う期限が来ます。一方でJASSOの奨学金は入学後に振り込まれます。どの費用をいつまでに払うのかを書き出し、それぞれの方法でお金が間に合うかを確かめます。

国の教育ローンは、合格発表の前から申し込める

日本政策金融公庫の案内では入学時の費用は合格発表の前に申し込めます。志望校が決まった段階で申し込んでおけば、合格してから入学金を払うまでの短い期間にも間に合わせやすくなります。

融資の対象はこれから1年間に必要な費用です。限度額の範囲なら何回かに分けて借りることもできます。4年分の学費をまとめて一度に借りるしくみではないので、2年目以降に足りない分はその都度考えます。

JASSOの予約採用でも、入学前には振り込まれない

高校3年生のうちに奨学金の予約採用が決まっていても振込みが始まるのは入学して進学届を出したあとです。入学金や入学前に払う授業料、引っ越しや部屋の契約の費用には間に合いません。

入学時に一度だけ増額して借りられる「入学時特別増額貸与奨学金」も、入学後の初回の振込みにあわせて振り込まれます。入学前の支払いは貯金や国の教育ローンなど別のお金で用意します。

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奨学金の振込み前に入学金が足りないときの相談先と確認の順番は、大学の入学金が払えないとき|奨学金の振込前に確認する資金と相談先でまとめています。

「いつでも申し込める」と「すぐ入金される」は違う

国の教育ローンはいつでも申し込めますが、すぐにお金が振り込まれるわけではありません。公庫のよくある質問では申込みが終わってから審査の結果が出るまでに10日前後、そこから口座に振り込まれるまでにさらに10日前後かかると案内しています。10月から3月の入学シーズンは申込みが多く、さらに時間がかかることもあります。

合格発表から1週間ほどで入学手続きの締切が来る大学もあります。払う期限から逆算して、いつまでに申し込めば間に合うのかを確かめ、間に合わないおそれがあるときは大学の窓口にも早めに相談します。

親の返済と子の返還は、別々の家計で考える

教育ローンを借りると親の家計に、貸与型奨学金を借りると子どもの将来の家計に返済が残ります。どちらも「大学のための借金」ですが、返す人と返す時期が違うので、親の家計と子どもの家計に分けて考えます。

国の教育ローンは、主に保護者が借りて返す

国の教育ローンを申し込むのは主に学生の保護者です。公庫のよくある質問では、入学して学業に専念する場合は返済の見通しが立ちにくいため、両親のうち主に生計を支えている人や親族に申し込んでもらうよう案内しています。

返済は借りた月の翌月か翌々月から始まります。子どもが在学している間も親は仕送りや学費と並行して毎月の返済を続けることになります。在学中の仕送りと返済を合わせて、毎月いくら出ていくかを確かめておきます。

JASSOの貸与型奨学金は、学生本人が返す

JASSOの貸与型奨学金は学生本人が借りて、本人が返します。返還は貸与が終わった月の翌月から数えて7か月目に始まります。卒業して3月に貸与が終われば、10月から返還が始まる計算です。途中で辞退したり退学したりして在学中に貸与が終わった場合は、卒業前に返還が始まることもあるので、在学猶予などの手続きを学校やJASSOに確認します。定額返還方式では借りた総額に応じて返す期間が決まり、借りた額が多いと20年近くになります(所得連動返還方式は所得によって変わります)。

卒業のときに貸与を終える場合は、卒業して間もない時期から家賃や生活費と並行して返していくことになります。借りる前に卒業後の毎月の返還額を本人と一緒に確かめます。

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貸与型奨学金をいくら借りるかの考え方と、卒業後の返還額の確かめ方は、奨学金はいくら借りるのがベスト?不足額と卒業後の返還から考えるで説明しています。

親が代わりに払うつもりでも、返す義務は契約した人にある

「奨学金は子どもの名前で借りるけれど、返すのは親が手伝う」という家庭もあります。その場合でもJASSOに返す義務を負うのは借りた本人です。親の収入が減ったり病気になったりして手伝えなくなれば、本人が返すことになります。

反対に国の教育ローンを親が借りて「卒業後は子どもに返してもらう」と決めても、公庫に返す義務は親にあります。家族の中の取り決めと契約上の返す人は分けて考えます。

親子で次の表に書き込んでおくと、どの時期に誰の負担が重くなるかがわかります。契約上の返す人と、実際に家計から出ていくお金は分けて書きます。

項目 在学中(親の家計) 卒業後(親の家計) 卒業後(子の家計)
学費・仕送り 本人が自分で払う分があれば書く
教育ローンの返済(月額)
契約上は親が返す
親の返済月額から子の負担分を引いた額(親の実質負担) 子が負担する額(親に渡す約束がある場合)
奨学金の返還(月額)
契約上は子が返す
貸与中はなし 親が援助する額 返還月額から親の援助を引いた額
ほかの借入(住宅ローンなど)
無理なく払える上限(月額)
各家庭の金額を書き込んで使います。この表は最終的な負担の分け方を記録するものです。親子の間の援助は受け取る側の負担から差し引き、貸主への返済額と重ねて足しません。契約上の返す人は変わりません。借りられる上限ではなく、払える上限で考えます

金利だけでなく、保証料と返済が始まる時期まで比べる

「どちらが得か」は金利の数字だけでは決まりません。利息がかかり始める時期、保証料、実際に受け取れる額、返す総額をそろえて比べます。

第一種は利息なし、第二種は在学中は利息がかからない

JASSOの第一種奨学金には利息がつきません。第二種奨学金は利息がつきますが、在学中はかからず貸与が終わったあとにかかります。第二種の利率は申し込んだときではなく、貸与が終わった月に決まります。入学前に計算した返還額は仮の利率での試算です。

国の教育ローンは、在学中も利息がかかる

国の教育ローンの金利は固定で、実際に借りる日の金利が適用されます。公庫のページに載っている金利が、将来借りるときの金利を約束するものではありません。在学中は元金の返済を待ってもらい、利息だけを払う方法も選べます。ただし元金を据え置いている間も利息はかかります。据え置いた期間が長いほど、返す総額は増えます。

公庫の返済期間は20年以内で、利息だけを払う期間もこの中に含まれます。毎月の返済額を抑えようと期間を長くすると、そのぶん利息の合計は増えます。

保証料を引いた受取額と、返す総額を確かめる

国の教育ローンで保証機関を使う場合は、保証料が借りたお金からまとめて差し引かれます。連帯保証人を立てる場合は保証料はかかりません。JASSOの奨学金で機関保証を選ぶと、保証料が毎月の奨学金から差し引かれて振り込まれます。どちらも借りた額がそのまま手元に入るわけではありません。

比べるときは同じ金額を同じ期間借りた場合で考えます。公庫とJASSOにはそれぞれ返済額を試算できるシミュレーションがあるので、借りる額と期間を入れて毎月の返済額と返す総額を確かめます。教育ローンは借りてすぐ親が返し始め、奨学金は原則として貸与終了の翌月から数えて7か月目に本人が返し始めるので、返済が始まる時期の違いもあわせて見ておきます。

教育ローンと奨学金は併用できる?

国の教育ローンとJASSOの奨学金は両方を使うことができます。公庫のよくある質問でもJASSOの奨学金と重ねて利用できると案内しています。ただし併用できることと両方とも希望どおりに借りられることは別で、それぞれに審査や選考があります。

同じ費用を二重に借りていないか確かめる

入学前の費用は国の教育ローン、入学後の生活費は奨学金というように何の費用をどちらでまかなうのかを分けて決めます。同じ授業料を両方で見込んでしまうと、必要以上に借りることになり、親と子の両方に返済が残ります。

たとえば国の教育ローンで入学金と前期の授業料を払い、後期からの授業料と生活費の不足分を奨学金でまかなう、という分け方があります。費用ごとに払う時期と金額を書き出し、足りない分だけを借ります。

返さなくてよい支援を先に調べる

借りる前に給付型奨学金や授業料の減免、大学独自の奨学金や授業料免除が使えないかを確かめます。大学独自の制度には入学後に申し込むものもあるので、大学の案内を見ておきます。

お父さん
お父さん
わが家の上の子は、大学独自の授業料免除を1年目だけ受けました。
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大学独自の授業料免除の探し方は、大学独自の授業料免除・徴収猶予とは?国の制度との違いと探し方で説明しています。

親子で選ぶためのチェックリスト

教育ローンにするか奨学金にするか、両方使うかを決める前に費用ごとに「いつまでに・いくら・誰が」を書き出します。借りられる額ではなく、足りない額から考えます。

確かめること 書き込む内容
費用の内訳 入学金、授業料、一人暮らしの初期費用、生活費など
払う期限 費用ごとの納付日・契約日
決まっている支援 給付型奨学金、授業料の減免、大学独自の制度(採用が決まった分だけ)
親が出せる額 貯蓄・学資保険など、使える時期も
足りない額 費用から支援と親が出せる額を引いた額
借りる人 親(教育ローン)か子(奨学金)か、両方か
受け取れる時期 払う期限に間に合うか
金利が決まる時期と保証料 受け取れる額と返す総額
在学中の返済 親が毎月払う額
卒業後の返済 親と子それぞれが毎月返す額と期間
申込みの期限 公庫・JASSO・大学それぞれ
結果を待つ間の対応 審査や選考の結果が間に合わないときの相談先
各家庭で書き込んで使います

借りられるからといって、使える制度すべてに上限まで申し込むことはおすすめしません。返すのは親か子のどちらかで、将来の収入が今の見込みどおりとは限らないからです。

教育ローンと奨学金に関するよくある質問

Q. 教育ローンと奨学金は、どっちが得ですか?

一律には決まりません。第一種奨学金は利息がかからない一方で、返すのは子どもで、原則として貸与が終わってから返し始めます。国の教育ローンは在学中から利息がかかりますが、返すのは親です。金利だけでなく、保証料、返済が始まる時期、返す総額、誰が返すのかをそろえて比べます。

Q. 入学金の支払いに間に合いますか?

JASSOの奨学金は入学後に振り込まれるので、入学金には間に合いません。国の教育ローンは合格発表の前から申し込めますが、審査と振込みに時間がかかります。払う期限から逆算して早めに申し込み、間に合わないおそれがあるときは大学に相談します。

Q. 銀行の教育ローンも、国の教育ローンと同じですか?

同じではありません。金利が固定か変動か、借りられる額、返済期間、保証料などは商品ごとに違います。国の教育ローンの条件をそのまま当てはめず、各金融機関の説明書で確かめます。

Q. 教育ローンと奨学金を両方借りても大丈夫ですか?

制度としては併用できます。ただ、親の返済と子の返還が両方残るので、卒業後にそれぞれが無理なく返せる額かを確かめます。同じ費用を二重に借りていないかも見直します。

まとめ

教育ローンと奨学金は借りる人、受け取れる時期、返し始める時期が違います。国の教育ローンは主に親が借りて借りた翌月か翌々月から返し、合格発表の前から申し込めます。JASSOの貸与型奨学金は子どもが借りて原則として貸与が終わってから返し、入学後に振り込まれます。

どちらを選ぶ前にも、返さなくてよい支援が使えないかを先に確かめます。そのうえで費用ごとに払う期限と足りない額を書き出し、親と子のどちらが、いつ、いくら返すのかを親子で話し合って決めます。

この記事で参照した公式情報

2026年11月1日に次の情報を確認して作成しました。

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